Lesson4-3 お茶の種類 その3

抹茶

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抹茶は「碾茶」というお茶から作られ、こちらの名前で呼ばれる事もあります。

碾茶の栽培方法は玉露と同じように、茶園にワラなどを覆い被せる被覆栽培によって育てられます。手で茶葉を摘み取り、蒸した後は揉まずにそのまま乾燥させて細かい茎や葉脈(ようみゃく)などを取り除いていきます。この状態の時に「碾茶」といい、ここからさらに茶臼で細かく挽いて粉状にした物が「抹茶」になります。

茶道などで見られる茶筅(ちゃせん)で点てて飲む抹茶は、お湯を用いて茶葉から味や香りなどを浸出させる方法と違い、茶葉の粉そのものをお湯に溶かして飲むのでお茶の栄養を丸ごと摂取することができます。

茶筅で泡立てる事によって舌触りはクリーミーになり、味わいは渋味の中にも上品なうま味が凝縮されているのです。

このままの状態では渋味に負けて苦手だと感じる人もいますが、この渋味が甘味の味をひき立たせてくれるので、最近ではお菓子の材料やフレーバーとして使われることも多々あります。

有名な産地に挙げられるのは京都府の宇治、愛知県の西尾、福岡県の八女などです。

茎茶

日本茶の製造過程において、茶園で摘み取った生の茶葉が発酵しないように蒸したり炒ったりします。そこからそれぞれのお茶にするために製造方法が分かれてきます。

この基礎となる第1段階の茶葉を「荒茶(あらちゃ)」といいます。そして荒茶のままだと細かったり小さかったりして十分にお茶を抽出できない、規格外の茶葉も含まれてきます。このまま進めてしまうとお茶になった時、質が落ちたり雑味の原因になってしまうので、ふるいにかけて大きさの調節を行います。

この時に不要となった部分の方を「出物(でもの)」といい、その中から茎の部分を拾い出して集めた物が「茎茶」になります。地域によっては「白折(しらおれ)」とも呼びます。

茶葉を摘み取る前から特殊な栽培法を行う玉露から出て来た茎茶は「雁(かり)が音(ね)」とも呼ばれ、最近では良質な茎茶の別称として扱われています。

味は渋味よりもスッキリした甘味の方が強く、清涼感のある香りが特徴的です。

日本茶を製造する過程で生まれるのでどこの茶園でも作れますが、石川県の金沢では茎茶を焙(ほう)じた「棒茶」が有名です。

芽茶(めちゃ)

芽茶も茎茶と同じように、ふるいによって分けられた出物から作られるお茶です。こちらも名前通り、芽先(めんざい)を集めた物になります。

「芽」という文字から新芽を摘んで作った物だと勘違いしそうになりますが、茶葉に成長できなかった細かい芽が多く含まれることからこの名前が付けられました。

茶葉よりも小さいので蒸らす時間もさほどいらず、高温でさっと淹れられます。しかも煎茶などが2~3回ほどでお茶を浸出しきってしまうのに対し、芽茶は葉が開ききるまでに何煎も淹れることができます

成長途中の芽という事もあって味が凝縮しており、濃厚な渋味と香りが特徴的です。

粉茶

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粉茶も茎茶や芽茶と同様に出物から作り出されるお茶です。出物から茎や芽先を取り除いて残った、葉が細かい物のことを言います。

小さいので蒸らす工程が必要なく、茶こしに入れてお湯を注ぐだけで簡単にでき、わざわざ急須を使う事なく淹れることができます。

主に寿司屋の最後に出されるお茶、あがりに使用されたり、ティーバッグの中身として利用されます。