Lesson8-4 日本茶の提供 いただき方

飲み方のマナー

これまではおもてなしする側について説明してきましたが、今度はおもてなしされる側のマナーについて説明していきます。この一連の流れを覚えておくだけでも十分に役立ち、お互いに楽しいおもてなしが行えることでしょう。

訪問先などでお茶をいただく時の基本的なマナーはいくつかあります。

まずはじめに、お茶を淹れてくれた方への感謝の気持ちを表すために冷めないうちに飲むことが重要になります。もし猫舌で熱い物が苦手な場合は茶碗の横などを触って温度を確かめ、出来るだけ温かい状態で飲むようにしてください。

また、女性の場合は外出時に化粧をするのでお茶を飲んだ際に、訪問先の茶碗に口紅が付いてしまう事がある事でしょう。これだとお茶を飲むたびに茶碗のフチに口紅がいくつもついてしまって、見た目が悪くなってしまうのでマナー違反となっています

これを防ぐために訪問前にティッシュなどで口紅を抑えておくか、もしついてしまった時はさりげなくふき取るようにしてください。

お茶を飲む時に重要となって来る所作は雫を茶碗の外に落とさない無駄に音を立てない両手を使って飲むという3点になります。これらを1つでも守るだけで上品さは様変わりします。

より詳しくお茶のいただき方を順番的に表すと次の通りになります。

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1:利き手で茶碗の蓋を持つ

まずは「いただきます」や「頂戴いたします」などの挨拶を交わして飲み始めます。茶碗の蓋を利き手で持ち、反対の手は茶托や茶碗の横に添えてバランスを支えます。

2:蓋の雫を茶碗に落とす

お茶が入っている茶碗の蓋には湯気が集まってできた水滴が付いています。これをそのまま外してテーブルに置くと水滴がテーブルに落ちてしまい、汚してしまいます。

このような事態にならない様に蓋を開けてすぐ茶碗のフチに当てて垂直に立てます。すると溜まっていた雫が落ちて来て茶碗の中へと入って行きます。あらかた雫が落ちきったら次の段階へ入ります。

3:蓋を裏返しにして置く

雫を落とした蓋は裏返しにして、両手で持って茶托の右側奥あたりに静かに置きます。ですが多くの蓋は曲線的な面をしていたり、取っ手やつまみが付いていてまっすぐに置くことができず、動いてしまう事が多くあります。なのでそのような事態を防ぐために茶托の右側に差し込むように置いて、固定させる方法もあります。

4:両手でお茶を持つ

利き手で茶碗を持ち、反対の手の平の上に置きます。この状態のまま飲むのですが、飲む際には無駄に音を立てないように飲んでください。

場合によっては音を立てて飲んだ方が粋だと考えられることもありますが、訪問先で飲む際には失礼のないようにするべきなので音を立てないように飲むのが基本となります。

5:茶碗に蓋をする

お茶を飲み終わったら蓋を最初と同じように被せます。右側に置いていた蓋を両手で取り、利き手で取っ手やつまみを持って茶碗に蓋を戻します。

飲み終わった一言として「ごちそうさま」を言うのも忘れずに行いましょう。