Lesson9-1 お茶請け 基本

お茶請けの組み合わせ

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ワインの世界ではワインと食べ物の組み合わせを「マリアージュ(和訳:結婚)」といいます。このマリアージュはワインの専門職であるソムリエが第一人者となりますが、日本茶にはそのような専門的な職業はありません。そのため、お茶とお茶菓子の相性についてはあまり重視されてきませんでした。

日本茶は味覚を元に戻し、疲れた舌を休め、さらに魚介類の生臭さを消す効果もあって、それらの効果を求めて今まで食べ物の味を引き立たせてくれていました。

さらに淹れ方によっては風味も変えられるので極端に相性の悪い組み合わせが少なく済んでいました。

どんな食材にも合う事は確かに日本茶の魅力ではありますが、最も合うお茶請けが確立していない曖昧さがあるのも確かです。

伝統的な組み合わせ

日本茶に最も合う組み合わせが確立していないとはいえ、伝統的に親しまれてきた組み合わせは存在します。たとえばご飯漬物和菓子などはどれも日本茶と一緒に扱われてきました。

中でもあずき餡の濃厚な甘みと緑茶の渋味はとても相性の良い組み合わせです。さらに和菓子は種類の豊富さだけでなく季節感を表現できる高いデザイン性も併せ持っており、味だけでなく見た目も華やかにさせてくれます。

日本茶のマリアージュのコツ

日本茶はどの食材にも合いますが、それぞれに適した種類の食べ物も存在します。それらの一例を紹介していきます。

普通煎茶と

普通煎茶の爽やかな香味は淹れ方を調整することで多くの和菓子や食べ物に合わせることができます。たとえば羊羹ギモーブ(マシュマロ)などのように穏やかな香りの食べ物に合います。

深蒸し煎茶と

深蒸し煎茶は食べ物にも負けないほど濃厚なコクがあり、食中、食後のお茶として最適です。とくに揚げ物炒め物など現代的な食事に合います。

玉露と

1煎目は玉露の味だけで楽しみ、2煎目から食べ物と一緒に食べましょう。優しい風味の玉露はプリン干菓子など滑らかな口どけの甘味と相性がいいです。

抹茶と

抹茶の口当たりや香りは多くのお茶請けの風味に合い、和食だけでなく洋菓子にも合います。たとえばチョコレートやマカロン、ケーキなどがあり、フレーバーとして利用されるほど人気です。

ほうじ茶と

香ばしい香りと飲みやすさが特徴的なほうじ茶は食事中にも最適で、せんべいお茶漬け漬け物との相性はとても良いです。さらに茶葉を焙煎しているので、ロースト料理にも合います。

玄米茶と

米の焙煎香が香る玄米茶は焼き菓子と相性が良いです。例えば和菓子の場合はタイ焼きやモナカ、洋菓子の場合はマフィンやマドレーヌなどが合います。

粉末茶・粉茶と

粉末茶はキレのある渋味とコクが口の中をサッパリさせてくれます。これが生臭さを消してくれるので、生の魚介類寿司とよく合います。といっても、このお茶はどんなものとも合わせやすいです。

番茶と

サッパリしていてたくさん飲みやすい番茶は食中、食後のお茶として最適です。あっさりした野菜の漬物せんべいとの組み合わせは伝統的なマリアージュといえます。