日本各地には様々な茶園があり、それぞれの地域によって各々の特徴があります。このLessonでは各地方の代表的なお茶について学んでいきましょう。
関東地方
お茶の一大消費地である東京が存在している関東地方には各地のお茶が集中するだけでなく、自分達の土地でも栽培されています。ですがお茶の生産地としては冷涼なため生産量はさほど多くありません。しかし全国に知れ渡った銘柄も多く、質においては引けを取りません。
一番茶の時期:5月上旬~5月下旬
狭山茶(埼玉県)
埼玉県西部から広がる狭山丘陵には関東で最も有名な産地があります。その茶園で栽培されている狭山茶の生産量は全国的に見るとそれほど多くありませんが、東京近郊を中心に広く親しまれているお茶の1つでもあります。
生産のほとんどが煎茶で、一番茶の収穫は5月上旬から始まります。また、この茶園では自園自製自販といった形をとっており、お茶の栽培から販売までを全て自分で行う農家さんが多い事も特徴の1つです。
狭山茶の中で有名な品種と言えば埼玉生まれの「ゆめわかば」です。栽培だけでなく製茶にも工夫が施されており、バニラのような甘い香りを引き出しています。渋味が少なく、やわらかなうま味が際立つ逸品となっています。
他にも友野園という茶園で栽培されている煎茶「狭山50」や番茶「五右衛門(ごえもん)番茶」などのお茶が有名です。
黒羽茶(栃木県)
黒羽茶は県の北東部に位置する大田原市で生産されています。涼しい山間地の丘陵で育まれたお茶は小さくても味が濃く、2煎目3煎目でも美味しく飲めるお茶になっています。
品種はやぶきたを中心に栽培されていますが、その他にも個性のある在来種も栽培されています。北部の寒い地域で栽培されているので新茶の時期はやや遅く、5月下旬の頃から出荷が行われます。
久慈川の上流・押川流域で生産されている煎茶「八十八夜」は須賀川茶とも呼ばれています。香りと味に優れて何度淹れてもおいしく飲め、まろやかさと後味の爽やかさにも定評があります。
奥久慈茶(茨城県)
黒羽茶と同様に関東内の北部で栽培されているお茶です。お茶を栽培するには寒いので出荷する時期は遅く、冬眠する時期は早いので生産量は少なくなってしまいます。ですが、冬の長い間に栄養を蓄えたことによって、うま味が凝縮したお茶が作れるようになります。
量より質を重んじており、伝統的な手揉みで製茶を行う茶園も少なくありません。
針のように細くつややかに仕上げたお茶は深いコクと高い香りを持つ高級煎茶となって、高い人気を有することとなります。
また、深蒸し煎茶「花の里」という山間地特有のコクとうま味が魅力の上級煎茶があります。1煎目には濃厚な味を、2煎目には爽やかな香りを味わえる少し特徴的なお茶です。
有名なお茶(下記以外)
- 猿島茶(茨城県)
- 秩父茶(埼玉県)
- 東京狭山茶(東京都)
- 足柄茶(神奈川県)
気になったお茶があれば、実際に飲んでみてお気に入りの銘柄を見つけてみましょう。

