中部地方
中部地方には日本海側から山間の内陸部、そして太平洋側まで生産地が多く点在しているだけでなく、広範囲に広がっているのでバラエティ豊かでたくさんのお茶があります。その中には生産量1位の静岡県も含まれていますが、この地域にはたくさんのお茶の種類があるので、他のページで紹介させていただきます。
一番茶の時期:4月下旬~5月中旬
村上茶(新潟県)
村上茶は日本内茶園で最も寒い地域で育てられているお茶です。つまり、お茶を育てる地域の北限でもあるのです。
他の産地に比べると日照時間は少なく、そのうえ1~2月には雪が多く積もって真っ白になるほど寒く、大量生産には適していません。ですがその代わりに過剰な光合成を抑えることができ、苦み成分の含有量が少ない茶葉の栽培に成功したのです。
さらに昼夜の寒暖差を耐え抜き、雪の下で栄養を蓄えながらゆっくりと成長したお茶は甘みやうま味が際立って上質なお茶へとなります。
煎茶として有名な「八千代(やちよ)」は爽やかな香りを持っていて、湯冷まししたお湯で淹れるとまろやかに、逆に熱いお湯で淹れるとしっかりした味わいになる特徴を持っています。
新潟県は米の生産地としても有名で、お茶と玄米を組み合わせた玄米茶「こしひかり玄米茶」も有名所の1つです。腕利きの製茶師が土作りから製茶までこだわった数量限定の一品なので、貴重なお茶となっています。
バタバタ茶(富山県)
新潟県と同じように日本海に位置する富山県では、日本で珍しい後発酵茶というお茶を生産しています。この製法は中国茶のプーアル茶が代表的な『黒茶』と同様で、ほのかな酸味を感じさせるのが特徴です。
このお茶は製法も淹れ方も少し特殊です。
まず製法についてですが、新芽の段階では摘み取らず、7月頃に成熟した茶葉を枝ごと刈り取ります。それを蒸し器で1ヶ月ほど発酵させたあと、天日干しで乾燥させて完成です。
淹れ方については急須ではなく、ヤカンを使って煮出します。そして煮出したお茶を茶碗に注ぎ、夫婦茶筅といった2本合わせの茶筅でバタバタと泡を立てて飲みます。このように泡立てる事で味がまろやかになり、口の中ではじける泡が爽やかさを演出してくれます。
伊勢茶(三重県)
三重県は静岡県、鹿児島県に続き緑茶の生産量と栽培面積が多い、全国3位の茶どころです。その中でも三重県のかぶせ茶は特に有名です。かぶせ茶の生産は県内生産量の3割を占めており、全国1位の生産量を誇ります。
県の大半の平均気温は14~15℃程度で比較的暖かい地域なので早い所では4月下旬から、遅い所でも5月中旬に一番茶の収穫が始まります。ですがこの地域では品質を保つために二番茶までしか摘まないようにしておらず、その結果として高品質を保ち続けています。
かぶせ茶「伊勢本かぶせ茶」も有名ですが深蒸し煎茶「深蒸し藪北(やぶきた)光雲(こううん)」や煎茶「天下一」も有名です。
その他の有名なお茶(中部地方)
- 南部茶(山梨県)
- 天龍茶(長野県)
- 加賀棒茶(石川県)
- 白川茶(岐阜県)
- 揖斐(いび)茶(岐阜県)
- 西尾抹茶(愛知県)
- 新城(しんしろ)茶(愛知県)
- 水沢(すいざわ)茶(三重県)
- 度会(わたらい)茶(三重県)
