Lesson10-3 各地のお茶 静岡県

全国1位のお茶どころ

静岡県は栽培面積や生産量において全国トップにあり、日本を代表するお茶どころであります。気候に恵まれたこともありますが、江戸時代にお茶をこよなく愛した徳川家康と縁が深かったことも理由の1つにあり、当時から盛んにお茶の栽培がおこなわれていました。

県の気候として基本的に温暖で、日照時間が長く茶の栽培に適しています。そのうえ寒暖差の激しい山間部や丘陵地帯であろうと南側の平野部であろうと、それぞれの特徴を活かして味わいを変え、地域ごとのブランドを確立させています。

静岡茶

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静岡県全域で栽培されているお茶ですが、その中でも東西に渡る広い地域で生産されているお茶は総括して静岡茶と呼ばれいます。

静岡茶の大きな特徴として挙げられるブランドの違いがありますが、それは品種や栽培法だけでなく製法も変わってきます。主に山間部では普通蒸しの煎茶を、平地や台地にある産地では深蒸し煎茶が主流になります。

新茶の収穫時期は地域のよって前後しますが、5月上旬が中心となっています。

煎茶「若葉」は山間地・川根地区で作られている香りが高いお茶と、牧之原の丘陵地区で収穫した深みのあるお茶をブレンドしたものです。やや深蒸しにした上級煎茶で、おもてなし用に扱われることが多いです。

他にも抹茶入りの上級煎茶「平常心」や、薄い布で光合成を抑えて栽培された煎茶「わらかけ天明」など、品質の高いお茶が多く存在します。

川根茶

県の中部に流れる大井川の上流を中心に広がる土壌で栽培されているお茶です。南アルプスを背負う大井川沿いの山間地では昼夜の寒暖差が大きく、朝と夕方を中心に垂れこめる濃い川霧がしなやかなお茶を生み、香りや味を引き立たせてくれます。

また、山間地という事もあって標高の高さによってお茶の味も変わり、その中でも最も高い場所で栽培されている煎茶「極上 天空の風」というお茶があります。数量限定の高級茶で、全て手摘みで収穫されています。

普通蒸し煎茶の中でも全国茶品評会で上位入賞を続ける「特上 川根茶」という茶葉も同じように山間地で栽培されています。金色で透明感のある水色と、爽やかな香り、甘味と渋味を併せ持つ個性豊かなお茶となっています。

遠州森(えんしゅうもり)の茶

北西部に位置する山間地では古くから交易の町として栄えており、「遠州の小京都」と呼ばれるほどの森町でした。そしてこの土地で作られるお茶は「遠州森の茶」と呼ばれています。

1年中、気候が穏やかで日照時間が長く、コクのあるお茶へと育って行きます。さらに深蒸しで仕上げた煎茶は全国で人気があります。

その中でも「森の粋(すい)」という商品があり、明治創業の老舗が誇る高級茶です。4月下旬から八十八夜にかけて収穫した若芽を茶の匠が丁寧に仕上げ、旬ならではのみずみずしい香りが特徴的です。

その他の有名なお茶(静岡県)

  • 掛川茶
  • 天竜茶
  • 本山茶
  • 清水のお茶
  • 朝比奈玉露