Lesson2-3 基礎知識 代表的な茶産地

東北・関東の茶産地

東北・関東地方の茶産地で有名なのは茨城県の茨城茶埼玉県の狭山茶新潟県の村上茶です。前のページで茶葉が全国で作られていると申しましたが、経済的に利益が見込まれる栽培を行っているのは新潟県と茨城県を結んだ線を境に、北限となっています。

関東の茶産地として有名な狭山で採れる茶葉は「味の狭山」と謳われるほど名が知られています。

日本の中心部分に位置する埼玉でも茶樹にとっては寒冷な地域になっています。そんな環境を利用し、寒い冬を越させることで味の深みを与えるのです。さらに製法にも工夫が凝らされており、仕上げを高温による火入れを行う独自のスタイルで甘く濃厚なお茶へと仕上げているのです。

最大の産地・静岡県

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静岡県は日本で最も多くの茶葉を生産する県でもあり、有名な茶園を多数保有する県でもあります。その生産量は日本の茶葉の総生産量の4割強を占めているのです。

さらに静岡茶の歴史は古く、1240年頃に聖一国師(しょういちこくし)が宋から茶の種を持ち帰ったことから始まったとされています。持ち帰った茶の種を静岡市郊外に位置する足久保にまき、生産を行い始めました。

明治維新の頃、徳川藩士たちによって牧ノ原台地の開墾が始まり、茶樹の大産地となりました。中でも気象条件に恵まれた山間地では天竜川根本山などの高品質なお茶が作られています。

また静岡県の他にも中部地方では岐阜県の美濃茶や、愛知県の西尾茶なども歴史が古く、有名なお茶です。

関西地方の茶産地

関西地方でもお茶の生産は盛んで、特に中部地方に近い三重県は生産量も全国3位に入るほど有名な茶産地です。

関西で有名な種類の茶種は三重県の伊勢茶京都府の治茶の2種類が挙げられます。

伊勢茶の歴史は古く、唐から伝わって来た茶樹を弘法大師が広めて、四日市市にあるお寺の僧が栽培したのが始まりだと言われています。また、同じ地区で同じ品種のお茶を作っていますが、北区ではかぶせ茶や普通煎茶を、南区では深蒸し煎茶を作っており、製法が全く別の物です。

宇治茶も生産量は多い方なのですが、それよりも「生産量より、高い品質とのれんを誇る」といわれるほど品質にこだわっています。恵まれた自然環境と長年の経験を基に上質な玉露や煎茶を作り出し、抹茶の生産としても有名になりました。

九州地方の茶産地

温暖な気候を利用し、数多くの個性的な茶葉を生産するのが九州地方の特徴です。中でも特徴的なのは全国生産量2位の鹿児島県です。

鹿児島県では『ゆたかみどり』という品種を中心に多くの品種が生産されています。日照時間の長さを利用して品種改良の実験を重ね、平坦な土地を有効活用して機械化を進めて来ました。これによって茶畑の低コスト化や作業効率の強化が実現し、生産量2位の席を勝ち取ったのです。