茶摘みの順番
茶葉の摘み取りは1年のうちに何度か行われることについては前のページで理解していただいた通り、茶芽は摘み取ってからもまた生えて来ます。なので春から夏にかけて複数回摘み取る上で、順番、名称を組み分けています。
一番茶
その年の春に初めて生産された、1番目のお茶のことを指します。「新茶」と呼ばれるお茶も、一般的には一番茶に分類されます。
渋味が少なく、うま味が強いので良品質のお茶として評判が高く、人気の高いお茶です。一番茶の年間生産量は40~50%を占めています。
二番茶・三番茶
一番茶に続き、その年の2番目、3番目に摘み取られたお茶にそれぞれ名付けられます。
二番茶は一番茶を摘み取って約50日後に、三番茶はそこからさらに30~40日経った後に摘み取られます。一般的に収穫した順番に品質が下がって行き、商品価値も変わってきます。
八十八夜(はちじゅうはちや)
八十八夜とはその名の通り、立春から数えて88日目に摘み取られるお茶のことです。具体的な日にちを挙げると5月2日(うるう年の時は1日)にあたります。
この時期に摘んだお茶は味と香りのバランスが良く、品質の良いお茶とされています。さらに栄養価も高く、不老長寿の縁起物として飲まれます。
秋番茶
夏が終わると茶摘みの時期も終わりになり、秋になると茶園では来年の茶摘みの準備を始めます。
この時、一番茶の成長を均一にするために枝葉を刈り取る「整枝」を行います。この時に刈り取った茶葉を用いて作り上げるお茶を秋番茶と言います。
また、この作業を春に行う山間部では同じように春番茶も作られます。
品質
日本茶の茶摘みでは基本的に芽の部分とその下の茶葉を一緒に摘み取ります。ですがその場所によって名前だけでなく品質も変わって来るのです。
それぞれの名称と品質の差について説明していきます。
一芯二葉
先端の芯となる芽の部分に加えて2枚目の葉まで一緒に摘むことを「一芯二葉」といいます。最上級の玉露や上級煎茶などではこの部分を使って作られます。
別名として「二葉摘み」という呼び方もあります。
一芯三葉
芯芽に加えて、3枚目の葉まで一緒に摘み取る方法を「一芯三葉」といい、別名として「三葉摘み」とも呼ばれます。一芯二葉摘みのお茶よりは収穫量が多いのですが、品質はやや下がる事になります。
一芯四葉~五葉
これまでの説明通り、4~5枚目までの葉を摘み取る方法を呼びます。ですが別名に数字が入る事はなく、ここからは「普通摘み」と呼びます。
普通の品質の日本茶はこの茶葉を使用して作られます。
