Lesson7-1 美味しい淹れ方 その1

ではいよいよ、美味しいお茶の淹れ方についての学習に入りましょう。お茶の種類によって細かい淹れ方の違いはありますが、まずは基本的な流れを把握しておきましょう。

適温への調節

日本の水道水は安全の為に塩素が添加されています。これが俗にいうカルキ臭の正体です。そのため、お茶を淹れる時には水を3~5分ほど沸騰させてカルキ臭を抜くことが大切になります。

つまり前のページで紹介した玉露などのように少し低めの温度が適温のお茶は1度沸騰させて、熱を冷ます必要があるのです。

人数に応じた茶葉の量

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茶葉が少ないとお茶の味は薄くなりますし、逆に多いと味が濃くなります。なので多過ぎず少な過ぎない、1人につき2~3gを目安に人数分の量を掛け合わせましょう。

ですが1人分だけの場合は少し多めの5gにして、2煎目もおいしく淹れられるようにしておくと便利です。逆に5人以上の大人数になると何度も茶葉を変える事となるので、2g程度に抑えて淹れたほうが良いです。

毎回計量するのは少々手間がかかるので、計量用のティースプーンを所持しておくか、毎回使うスプーンの1杯分の量をあらかじめ測っておくと便利です。

廻し注ぎ(まわしつぎ)

複数の茶碗にお茶を注ぐとき、どの茶碗にも同じお茶の濃さや量になるようにするのが理想的です。ですが急須から出てくるお茶は最初のうちは薄く、後になるにつれて濃くなっていきます。

そこで生まれた作業方法が「廻し注ぎ」です。

まず始めに全ての茶碗に薄いお茶を少しずつ注いでいきます。最後の茶碗を折り返し地点として、逆方向にまた少しずつ注ぎ入れていきます。この作業を繰り返しながらお茶を継ぎ足していき、急須のお茶がなくなるまで続けます。

こうすることで全ての茶碗のお茶の色と味が均一になるのです。

1杯だけ淹れる時も一気に注がず、何度か手を止めて急須の傾きを戻しながら注ぐと良いです。そうすることで最初のお茶も薄くならずに済みます。

最後の一滴

お茶は時間を立てて少しずつ浸出していきます。そのため最初のお茶よりも後になるほどおいしさが沁み出していくのです。つまり、最後の一滴にはお茶のおいしさが詰まっています。

ですがただ時間をかければよいというわけではなく、美味しさと同時に苦味や渋味もどんどん浸出してくるのです。あらかじめ飲む量を考慮しつつ、急須の中にお湯が残らないよう飲み切るようにしましょう。

綺麗な道具を使う

茶こしの中に前回使用した茶葉の残りカス、茶殻が付いていたり急須に臭いが残っているとせっかくのお茶の風味が損なわれてしまいます。使用した後はきちんと洗い、乾燥させて次回も綺麗に扱えるようにしておきましょう。