玉露の淹れ方
基本的には前のページで紹介した煎茶の淹れ方とほぼ同じなのですが、細かい部分で差異が出て来ます。もし煎茶と全く同じ方法をとってしまうと玉露のおいしさを十分に味わうことができません。それらの相違点を理解して使い分けましょう。
また、玉露と栽培法が変わっていても上級茶として位置づけられる手揉み茶も、同様に淹れられるので応用してみてください。
お湯の量
玉露は喉を潤すより、舌の上でころがして風味を楽しむことが目的となっています。煎茶のように2煎目をあらかじめ淹れて置いたり大量に飲むわけではありません。
ゆえに1杯の量は少し少なめで、普通の茶器だと大きさが不釣り合いになってしまいます。これだと見た目が不格好になってしまうので、茶碗も急須も小さめの物を用意しましょう。1人分につき約15mlと少ないので、それを計算して淹れるようにしてください。
お湯の温度・浸出時間
玉露は普通のお茶に比べて、とろみすら感じ取れるほど濃厚な味をしています。この味を十分に引き出すためには適した温度のお湯とうま味を引き出す浸出時間があります。
うま味を担当するアミノ酸が十分に溶ける50~60℃を目安に、2分~2分半ほど蒸らしてゆっくりと浸出させます。これによって美味しい玉露が生み出されるのです。
温度が高いと渋味・苦味の味を担当するカテキンも浸出してしまい、玉露の味を妨げてしまいます。玉露を入れる際にはゆっくり、じっくり淹れる事を心掛けましょう。
宝瓶(ほうびん)の使い方
茶器の中には持ち手の部分がない急須があり、それを「宝瓶」と呼びます。
主に低温で淹れるお茶に用いられ、玉露もその1つに加わります。持ち手がないので利き手で急須のフチを覆うように持ち、反対の手で急須の蓋を押さえて支えるように使用します。
2煎目以降の玉露は違う楽しみ方
玉露はうま味を楽しむお茶ではありますが、2煎目以降は違う楽しみ方をします。
2煎目のお湯は1煎目よりも少し高めの60~70℃のお湯で淹れます。さらにお湯の量も少し多めに、浸出時間を短めにします。こうすることで2煎目以降は軽い渋味と海苔のような香りが楽しめます。
茶殻を食す
玉露の使い道はただお茶を淹れることだけではありません。玉露の葉はとても柔らかいので、茶殻も食べることができるのです。
たとえばポン酢や白ダシ、塩などで軽く味を付けておひたし風にしたり、ジャコなどと一緒にご飯に混ぜ合わせるのもおいしくてお勧めです。茶葉そのものを食することになるので、お茶にして栄養素を浸出させるよりも栄養素を摂りやすくなります。
